長寿のためにはアルファカロテンを多く含む果物、野菜の摂取が望ましい
ファイトケミカルのカロチノイドの一種であるα(アルファ)カロテンを多く摂取すると、心疾患、癌(がん)をはじめとする全死因による死亡リスクが軽減することが、新しい研究で示されました(Archives of Internal Medicine(内科学)」オンライン版11月22日)。
αカロテンおよびβ(ベータ)カロテンはともに身体内でビタミンAに変換され、その過程はβカロテンでの効果が高いと考えられていました。今回の研究では細胞の遺伝子(DNA)を防御する上ではαカロ テンの方が重要な役割を演じていることが示されました。
今回の研究では、第3回米国民健康栄養調査(NHANES)に参加した1万5,000強の米国成人を対象に検討しています。被験者はいずれも1988〜1994年に健康診断および血液検体の採取を受けています。2006年まで14年間の 追跡期間中に3,800人強が死亡。血液分析の結果、血液中のαカロテンが0〜1μg/dlだった人に比べ、2〜3μg/dlの人は全死因による死亡リス クが23%低く、4〜5μg/dl、6〜8μg/dl、9μg/dl以上だった人は死亡リスクがそれぞれ27%、34%、39%低い結果でした。このほか、血液中のαカロテン濃度と、米国の2大死因である心血管疾患および癌による死亡率の低下とも関連が認められました。
αカロテンが豊富に含まれる食品は、ニンジン、サツマイモ、カボチャおよび冬カボチャ(winter squash)、マンゴーおよびメロンなどの黄色や橙色の食物のほか、ブロッコリー、サヤインゲン、グリーンピース、ホウレンソウ、カブラナ、コラード、ケール、メキャベツ、キウィ、レタスなどの濃緑色野菜です。
今まで、βカロテンの健康効果ばかりに研究がさかれていましたが、αカロテンも有用であることが示された形です。やはり、健康な自然栽培などの果物や野菜を多く摂取すれば健康に多大な効果が出るという傍証です。健康な土壌から摂取した果物や野菜による経済的な効果(不健康な状態で生きていることや病気になったときの損失)を考えると「食」こそが人間の生活を実るあるものにしてくれる基礎であることが実感できますね。
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