土壌、食物、水、空気中の放射能汚染も微生物で分解される
2011年3月24日現在で福島第一原発の事故処理が予断を許さない状況です。ここ数日、空気中、海洋中、あるいは水道などの放射能汚染が徐々に報告されるようになってきました。
放射能の量を表すのはベクレルと呼ばれる単位です。放射線はアルファ線、ベータ線、ガンマ線などがあり、同じ1ベクレルでも、それぞれ人体に対する影響力が異なります。そこで、その特徴を加味し、放射線を測る場合は人体に対する影響力を表す単位、シーベルトに統一して使います。現在報道されている放射線量はすべてシーベルトです。
私たちは、年間どのくらいの放射線を自然に受けているのでしょうか?
地球上に住んでいる以上、だれでも年間2.4ミリシーベルトの放射線を被ばくします。 といっても、だれもこの自然放射線で害を受けてはいません。
一方、高い線量の放射線は確かに人体に害を与えます。250〜500ミリシーベルトを超えると放射線の影響があります。これは1回の放射線の照射量で「急性の放射線障害」といいます。また、発がんの心配が出てきます(ちなみに、科学技術庁が決めた年間許容量は50ミリシーベルトです。これは、放射線の害から守るために、法的に定められた値)。
ですから、放射能汚染地域で生活する場合は、1回ではなく放射線量の蓄積で計算しなければなりません。これは今後の事故処理の推移にかかっています。現段階では明らかなことは分かりません。
さて、今回の福島原発第一の3号機にはMOX燃料という核燃料が使用されていました。この中に長崎の原爆で使用されたプルトニウムがあります。これは通常のウランよりも放射能が強いため、事故による核燃料漏れが非常に懸念されています。愛媛の伊方原発や佐賀の玄界灘にある原発にも使用されています。
プルトニウムは水銀やカドミウムと同じ重金属です。
体内に摂取されるとカドミウムと同じく腎臓障害が起こります。
プルトニウムの問題は、それよりも放出される放射線による「放射線障害」です。
プルトニウムから出る放射線はアルファ線といいます。アルファ線の透過力は非常に弱く、空気で吸収されてしまいます。また、プルトニウムが皮膚に触れても、アルファ線は皮膚の中には入ってきません。
それではプルトニウムに汚染されたものを食べたときはどうなるでしょうか?
プルトニウムが口から食べ物と一緒に入っても、消化管からの吸収率は0.1%以下で体内にはほとんど吸収されません。
しかし、空気と一緒に肺に吸収されたときには心配です。犬を用いた実験では、一定量以上のプルトニウムを口から吸入させると肺繊維症や肺がんを作ったという報告があります。
今回のあるいは今後の原子力発電所の事故によって大量のプルトニウムが体内に摂取されたときに対策はあるのでしょうか?
対策はあります。
プルトニウムは重金属ですので、キレー ト剤という薬を注射して、プルトニウムを体内から尿中に排泄(はいせつ)させる方法です。また腐植触媒のようなキレート剤を摂取することで尿から排泄することも可能です。
そもそもプルトニウムは重金属ですから、水銀、ヒ素、カドミウムと同じく微生物が分解してくれます。
チェルノブイリの原子炉内で放射能も同様に分解する微生物が発見されています 。
これらはすべて土壌、海洋、空気中に生息する微生物です。
ある栄養(基質)が与えられたときに、それを分解する微生物が一時的に増殖させる作用があります。分解し尽くしたあとは、もとの微生物のバランスに戻っていきます。
メキシコ湾の石油汚染でも微生物が大量に使用されたようですが、このような微生物を高価なお金で集めるより、海にすでに石油を分解する微生物がいますので、それを活性化したらもっと安上がりにできた筈です。
腐植触媒ではキレート作用以外にも分解微生物を活性化させる作用があります.自然栽培で強く育った農作物は、土壌の腐植触媒の作用で活性化された常在微生物が共生しているから農薬や化学肥料は不必要なのです。また汚染された土壌でも腐植触媒がしっかり働くとそこで育った農作物に汚染は及びません。
今回の原発事故では広範囲に空気、水、土壌、海洋放射能汚染が拡大しています。このような放射能による被害は常在微生物を活性化させることで最小限に食い止めることが可能なのです。
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